北九州市立大学同窓会

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38中国語科卒クラス会

 今年俺たちは筑豊路を巡った。
 昭和38年中国語学科を卒業したクラスメートで1泊2日の小 旅行だ。初日9月16日、志賀島路のホテルに地元福岡、宮崎はじ め東京、大阪、千葉、静岡、神戸、広島、岡山、山口から19名が馳せ 参じた。玄海の魚に美酒を重ねれば、寄る年波なんてへっちゃ ら。座は遅くまで漫談と笑いに包まれた。
 翌17日。貸し切りバスで一路筑豊へ。まずは、炭鉱遺産ブーム にあやかって飯塚市の嘉穂劇場から炭鉱王だった旧伊藤伝右衛 門邸。大構えの旧邸にキモをつぶすも、伝右衛門に離縁状をたた きつけて、若い学生に走った美人の誉れ高い白蓮の品定めも忘 れなかった。
 次は今回のクラス会の趣旨である豊州炭鉱慰霊碑(田川郡川 崎町)へ。入学した翌年の昭和35年9月20日、同炭鉱で水没事故 があった。67名が犠牲になり、うち1人が夜間に働いていたクラ スメート村上正憲君だった。忘れがたきは学友よ。俺たちは50年 前に立ち返り碑の前で亡き友を偲んだのだった。
 田川市内に移って野見山汎君推奨の山裾の静かな里“好日庵” で昼食。日本庭園の静寂の中、くり出される品数の多さよ、贅沢 なひとときを楽しむ。
 見学の最終は田川市石炭歴史博物館で開かれている「山本作 兵衛コレクション展」。ユネスコ世界記憶遺産に登録された作兵 衛翁の原画を堪能。朝日新聞筑豊支局長時代に数多くの取材体 験を持つ宮田昭君の完璧なまでのアカデミックな“バスガイド” ぶり、そして、かつて作兵衛翁夫妻と親交のあった宮田君は、作 兵衛翁が愛唱した歌まで披露、行く先ごと彼の講釈の名調子に みんなが酔った。
 バスは北方キャンパスへ。土曜日の午後だったが、同窓会本部 のはからいでバスを構内に乗り入れ、散策。様変わりした風景と はいえ、何処かしこに往時のにおいがする。孫みたいな後輩たち がたむろしている。眩しかったなあ。学報「青嵐」、大学案内の冊 子を前以って手配して下さった本部事務局に感謝。
 クラス会は今年7回目、夕刻JR小倉で散開。次は広島と決っ た。個性鮮やかな面々、更なる元気な姿で集うであろう。
煖エ信一(S38・中国)