北九州市立大学同窓会
70周年記念のシンボル
記念事業の“目玉” 新図書館オープン「大学の知の拠点」学生らに好評発進
創立70周年記念事業の“目玉”と位置づけられてい た新図書館が母校・北方キャンパスに完成、4月4日 (月)の入学式のあと、約40人が出席してオープンセレ モニーが行われた。「“世界の環境首都”北九州市にふ さわしい図書館」をコンセプトにした新図書館はと にかく明るく、様々な機能が盛り込まれているのが 特徴。この新たな「知の拠点」は母校のシンボルとな る。
●晴れやかにテープカット
記念事業のトップを切って完成した新図書館。
オープンセレモニーは1階のラーニングシアターで行
われた。
テープカットには、大学側から石原進理事長、近藤
倫明学長、矢田俊文前学長、松尾太加志図書館長、来
賓の北橋健治北九州市長、戸町武弘北九州市議会議
長、佐藤政治後援会会長、田村允雄同窓会会長、さら
に大学に多額の寄付をされた卒業生の故末廣圭氏の
実妹・河野冨恵さんが加わり、晴れやかな表情で紅白
のテープにハサミを入れた。
挨拶に立った石原理事長は「明るい、近代的な、素晴らしい図書館。屋上緑化や自然採光など環境に配慮し
た北九州市らしい施設だ」と述べた。
近藤学長は「1997年に本学に赴任した際、学生にはもう少し立派な図書館で勉強してほしいと思った」と
新図書館建設の動機を明かし、「新図書館は利用者が主役になれる。学会や発表会、演奏会なども可能な、い
ろんな機能が盛り込まれている。利用する中で、使い方を発見してほしい」と新図書館の特徴を紹介した。
北橋市長、戸町議長の祝辞に続き、松尾館長が「教育、研究に大いなる成果を出したい」と抱負を述べた。
●自然採光で明るい館内各フロア
式典後、出席者は、図書館職員の案内で館内を見学した。新図
書館(本館)は地上4階建て、延べ床面積3,845u。旧図書館(書庫
棟に転換)と合わせると、スペースは8,530uと約1.8倍に広がり、
蔵書スペースは57万冊から72万冊へと拡大された。オープン当
初の本館蔵書数は12万冊。
見学の列に加わって、館内を歩いた。
まず、1階。入り口を入った左手に、新聞や一般雑誌を置いた
「ブラウジングコーナー」。その奥が、2面から自然光が注ぎ込む、
明るい「休憩スペース」で、飲み物の自販機が置かれている。入り
口の右手はギャラリー。
●1階はラーニングコモンズなど「協同学習ゾーン」
入退館装置を通り抜けると、「協同学習ゾーン」。学生の協同
的、自主的な学習のために可動式のテーブル、いす、プロジェク
ターなどが設置された開放的なスペース「ラーニングコモンズ」を中心に、グループ学習室、ラーニングシア
ター、視聴覚コーナー、図書館ホールなどが配置されている。ラーニングコモンズは間仕切りがなく、人数に
応じた使い方ができる。2室あるグループ学習室は、間仕切りを外せば1室としても使用できる。このゾーン
だけは議論もできる。これまで授業後に集える場所としてはサークル会館以外になかっただけに、学生に
とっては利用価値の高いスペースになりそうだ。
階段を通って2階へ。本館はガラス張りで、壁が少なく、吹き抜
けや窓から入り込む自然光で、蔵書部分も含めて、とにかく明る
い。見学者は、この明るさに感嘆。それぞれのスペースがゆった
りとしていることにも「素晴らしい」。総記、哲学、歴史、社会科学
の書架と閲覧室。教員と大学院生専用の閲覧室も設けられてい
る。オープンから5日後に訪れると、閲覧室には、テキストやノー
トを広げた学生の姿があった。
3階。ここも明るい。書架は自然科学、技術・工学、産業、芸術・美
術、言語、文学に分かれ、閲覧室も。ユニークなのは階段状の閲覧
席があること。「ここは、アイデア次第でいろんな利用の仕方が
見つかりそう。それを学生に発見してもらいたいですね」と図書
館職員。さて学生たちはどんな利用法を考えつくか。
●声、音厳禁の「サイレントルーム」も
3階には私語厳禁、パソコンなど操作時に音の出る機器の持ち
込みが禁止されている「サイレントルーム」がある。仮に居眠り、
転寝をして、いびきをかいた場合は、「はい、退室ですね」。屋上は
緑化されており、タンク3つに雨水をため、自動散水(配水)する。
さらに太陽光発電パネルも設置されるなど自然環境に配慮した
「ECO図書館」となっている。本館と旧図書館とは各階とも渡り
廊下で結ばれている。その旧図書館は28年度中に耐震補強工事が行われる予定。
●入退館には「図書館利用証」が必要
新図書館(本館)への入退館、図書の貸し出し・返却、各種手続きには「図書館利用証」が必要。利用証は1階の窓口
サービスカウンターで発行してもらえる。利用証を忘れたときは「1日入館証」を発行してもらう必要がある。