北九州市立大学同窓会
支部組織
千葉支部
支部だより(平成21年12月)
介護施設見学と南房総一周の旅。
最近の老齢化の波は年々大きな社会問題となって、愈々我々の年代にも襲い掛かっている。
その様な時代背景を受け、今度、千葉支部は会員に広く呼びかけ介護施設への訪問及び介護制度、老後のあり方を研修するため1泊2日の旅−「介護施設見学と南房総一周の旅」−を企画した。
ご存知の方も多いとおもわれるが、千葉支部の役員でもあられる井本義孝氏は現在も各種の社会介護施設を運営される社会福祉法人「ミッドナイトミッションのぞみの会」の常務理事としてその運営の最前線に立たれると同時に介護関係の講演活動などにも多忙な日々を送られている。(*井本氏はS34年北九州大学英商科卒後西南大学主学部、神学部へ編入卒業、その後キリスト教関係の福祉施設にて奉仕されている)この度は、同氏のご厚意により、氏の管理運営される各種社会福祉施設を見学、介護の実情などを見聞させていただく機会を得た。
11月6日(金)、参加する会員14名は向かう君津市までの約1時間を近況談義や期待する介護施設訪問などの話題に花を咲かせた。到着した君津駅では井本氏に同法人所有のマイクロバスと共に出迎えていただき、早速目的地に向かった。バスに揺られる事約40分、静寂さと豊かな緑に囲まれた房総の山間に整然とたたずむ「ミッドナイトミッションのぞみの会」の各種施設が存在する。広大な敷地の中には、婦人保護施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、通所介護(ディサービス)障害福祉サービスなどの建物が機能的に位置している。まづ会議室にて、これら施設の概要、特徴、入居者の状態更には現在の介護制度の問題点などを井本氏からブリーフィングを受けた。
そして、特別養護老人ホーム、「望みの門紫苑荘」にてお話を伺い併せて入居者の滞在される居室などを見学させていただいた。場所を移し、誕生後親から見離された乳幼児を保護する「望みの門方舟乳児院」、虐待などで家庭環境を失った就学児童を養育する「望みの門かずさの里」を訪問、いわゆるゼロ歳から101歳まで、広範囲に亘り社会的に恵まれぬ人々に暖かい介護、支援の手を差し伸べているのがこの福祉法人の特徴であると知った。御他聞にもれず色々なご苦労があるそうですが、キリスト教の奉仕の精神に則り、職員の方が溌剌と働いておられたのが印象的でした。車椅子の入居者に手を差し伸べると大きく声を発され強く握り返してこられた。筆者もいずれはこうした形でお世話になる身を想像し、現在の健康体を感謝すると共に、こうした介護・医療などに従事されている方々が自信と誇りを持って日々の仕事につかれるよう介護や老後を大切にする世の中になってほしいと念願せざるには居れなかった。
夕刻は内房の漁港 館山の民宿にて豊富な海の幸に舌鼓を打ち、翌日は快晴の南房総を一周、大海原や灯台、鯛の群れなどに驚嘆した一日であったが、詳細は紙面の関係から割愛させていただき、別の機会に譲る事とした。
吉田幸夫(S41・米)