北九州市立大学同窓会

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支部組織

関東支部

第4回四季の会

−「四季の会(女性の会)」第4回集い−神楽坂歴史・文学そぞろ歩き

 眩しい陽射しを浴びて木々の濃い緑も輝くような真夏の7月26日(日)、「四季の会」第4回の集いが行われた。今回はゆっくりと食事と語らいを楽しむ昼食会と、花街の粋な情緒を保つ神楽坂周辺の散策が企画された。昼近く、JR飯田橋駅前には、男女20名の参加者が、笑顔で集合した。
 今回の散策地・神楽坂は、意外な史跡や文士たち縁の場所も多い為、「四季の会」代表の竹内優子氏(歴史研究家・美作ゆうこ氏)の解説を随時伺いながら歩くこととなった。
 駅を出発し、まず、牛込橋のたもとで、中世牛込の地を支配した「大胡氏」についての説明を受け、さらに江戸時代の「市ヶ谷牛込絵図」を参照しながら、当時この辺りに旗本・御家人屋敷が集中していた様子と背景を教えて頂いた。
 そこから、私たちは、神楽坂の表通りを歩き、昼食会場の「日本出版クラブ会館」へと向かった。ここで、各々好みの食事をとり、お茶の時間もゆっくりと過ごし語らいを楽しんだのである。
 午後2時前には、昼食会場を出て、散策に出掛ける。まず、この「日本出版クラブ会館」あたりに幕府天文台(水野十郎左衛門邸跡)があったと知り意外な感じを受けるが、高台の立地を利用した当時の様子を想像し得心する。ついで、近くの光照寺に移り、かつてこの地にあった牛込城(中世の大胡氏の砦跡)の話を伺う。
 その後、宮城道雄記念館前、徒歩(おかち)中町公園を通り、尾崎紅葉旧居地へと向かった。ここでは、『婦系図』(泉鏡花作)の中に投影されている紅葉と鏡花との師弟関係なども印象に残った。さらに「芸術倶楽部」跡では、島村抱月への尊敬の念と激しい恋情に殉じた松井須磨子の人生を偲び、圧倒される思いも抱く。また『坊ちゃん』の主人公にゆかりの東京理科大学の石垣跡も眺めた。『それから』、『硝子戸の中』などに神楽坂の様子を描いた夏目漱石もこの地に馴染みが深い。
 情緒ある石畳の路地を歩くと当時の面影が今に続く料亭も此処其処にある。寺社も、点在しており、毘沙門天で有名な善国寺は、今も多くの参詣客を集め、賑わいを見せている。一方、赤城神社は、境内が削られマンション用地となっており時代の波がここにも押し寄せている。まさに新旧が融合した魅力ある街並みで、訪れる者を飽きさせない。私たちも強い日差しに汗を拭いながらも、この散策を満喫することができた。
 こうして、再び駅近くに戻った一行は、またの集いを願い散会した。「カナルカフェ」での二次会では、美しい対岸の緑と涼し気な水辺の風景に開放感を味わいつつ、親睦を深め
た。
 素晴らしい解説に耳を傾け、心弾む語らいを楽しんだ夏の思い出となった。
船越富美(S47・国文)

【参加者氏名】(敬称略)
安部とみよ(S42・米)、岡本ヒロミ(S45・米)、伊地知洋子(S46・国文)、竹内優子(S46・国文)、船越富美(S47・国文)、森安宣子(S49・英文)、中村英子(S50・国文)、林三郎(S25・専米)、西牟田運(S25・専米)、清水恭輔(S35・商)、小西孝蔵(S38・中)、横田忠一(S38・
米)、阿部昌幸(S39・商)、小島康男(S39・米)、河地孝広(S40・商)、赤間晋治(S40・商)、神崎英昭(S41・米)、児森進作(S42・商)、広中博美(S46・米)、森光盡一郎(S49・中)