北九州市立大学同窓会

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大学だより

平成28年度 入学式
「創立70周年の1期生」--全学で1,709人が入学

 平成28年度の全学合同の入学式が4月4日(月)、北方 キャンパスの体育館兼講堂で行われた。創立70周年を迎 えた本年度は全学で1,709人が入学した。
 式典は、在校生ブラスバンドの奏でるファンファーレで 始まった。同窓会から田村允雄会長をはじめ、副会長が来 賓として出席した。
 近藤倫明学長は式辞で、本年は創立70周年に当たる記念 すべき年であること、本学は歴史と伝統にあふれた公立大 学であることを強調された。そして、学生時代を「学ぶ時」と して心に留め、キャンパスでの勉学に加え、積極的にキャン パスを出て地域を学び、海外へ出て世界を経験してほしい、 と結ばれた。石原進理事長は挨拶で「世界をフィールドとし て活躍してほしい。そのためには、言葉(英語・中国語)、日本 の歴史、文化についての素養(日本人としてのアイデンティ ティ)、交渉力の3つの能力が必要だ。混迷する今の時代の リーダーを目指して勉学に励んでほしい」と激励された。
 来賓の北橋健治北九州市長は祝辞で「本学は総合大学 へ着実に成長した。国内・国際分野で活躍できる人材を輩 出している。70周年のこの記念の節目に入学の皆さんにも 大きな期待を抱いています」と励まされた。
 新入生を代表して経済学部経済学科の入尾純也君が 「ますますの充実、発展を続ける北九州市立大学に入学す ることに喜びを感じる。恵まれた環境の中でより豊かな教 養と専門的な知識・技術の修得を目指す」と、力強く宣誓し た。混声合唱団「コール・ユーフォニー」のリードで校歌を 斉唱、入学式を終えた。
 入学式後のキャンパスでは、50近いサークルがテントを 張り、工夫を凝らして新入学生の入部を勧誘。ESSのテン トを訪ねると、2人の男子学生と4人の女子学生が「先輩 ですか?」とにこにこ顔で迎えてくれた。ここ数年、入部希 望者がなく活動に支障を来していたそうだ。ようやく昨年 から部員も増え始めたが、「今年はさらに部員を確保し活 動を活発化させます」。
 OBの姿も多く、入学式後のキャンパス・テント村は活気 にあふれ、応援団には「高校時代に応援団長を務めてい た」という女子学生が入団手続きをした。

近藤倫明学長式辞〈要旨〉
 北九州市立大学は1946年に、 小倉外事専門学校として創立 され、時を経る中で、北九州外国 語大学、北九州大学、そして2001 年に現在の名称、北九州市立大 学となりました。今年は創立70 周年を迎える歴史と伝統ある公 立大学です。皆さんは、この記念の年の入学生となります。
 北方キャンパスには外国語学部、経済学部、文学部、法 学部、地域創生学群が順次開設され、人文・社会科学系の 教育と研究の拠点が整備されています。ここからおよそ 16q離れた市内若松区の北九州学術研究都市内にあるひ びきのキャンパスには国際環境工学部が設置され、理工 系の教育研究拠点となっています。この国際環境工学部 も、今年開設15周年を迎えます。これらの学士課程に加 え、2つのキャンパスには大学院修士課程、博士前期及び 後期課程、専門職学位課程が設置されています。大学全 体で現在5学部、1学群、4研究科からなる総合大学とし て、6,500人を超える学生が学生生活を送っています。
 新入生の皆さんに求められる学士課程での学びの目標 は、人が持つ人間力の基盤となる語学力や情報処理力、多 岐にわたる分野の教養と実践的なコミュニケーション力、 そして専攻分野の専門知識を身に付け、自らの意見と考 えを持って行動できる力を備えることです。また大学院課 程の目標は、加えて優れた高度な専門的知識と学識を備 えた専門職業人として、また研究者として地域・社会、そし て世界に貢献できることです。
 本学は、「時代をリードする人材の育成」を教育におけ る基本に置いています。この「時代をリードする人」とは、 21世紀のグローバル化が進む予測不可能な現代社会を、 率先して自らの力でたくましく生き抜くことができる人を 意味します。そのために身に付けるべき基盤となる語学力 として、世界共通語としての英語の運用は不可欠であり、 併せて母語である日本語の理解・運用力のさらなる修得 は、欠かすことはできません。グローバル化した世界では 身に付けた知識や皆さん自身が拠って立つ文化・教養を、 自分の言葉で発信することが求められます。そのために 皆さんはこれから知識の基盤となる教養と専門知識の学 習に加え、その拠り所としている日本という国やその文化 を、そして生活の場としての地域をいかに理解しているか が問われます。皆さん一人ひとりが自分の言葉で自分の 立ち位置からグローバルな視点で語ることができてはじ めて、時代をリードすることができます。これがグローカ ル、つまり生活の基盤としての地域に立脚して、地球・世界 を考え、行動するということを意味します。このことは留 学生の皆さんにも共通する学びの姿勢です。
 人を育てる使命を果たすべく、本学は皆さんが身に付 けるべき力を定めた方針を策定し、その方針のもと、カリ キュラムを整備し、個々の授業科目を設置しています。
 学士課程の授業では初年次からの少人数による演習や 講義に加え、キャンパスを出たフィールドでの課題解決を テーマとした実践的・能動的学習、さらに海外留学や、地域 でのボランティア活動、国内外のインターンシップを積極 的に支援する制度を充実するなど、自らが率先して積極的 に学ぶことができる教育支援の環境を設けています。
 創立70周年を記念してここ北方キャンパスに新設され た図書館のラーニングコモンズを中心に、学生の皆さんが 主体的、能動的に学習する学びの形としてアクティブラー ニングがこれまで以上に推進されます。新図書館のオー プンセレモニーは本日この式のあと開催されます。
 昨年改正された公職選挙法等で、18歳以上の学生の皆 さんも有権者となりました。国のありようを左右する選挙 に参加することが義務として、また権利として定められま した。まさに皆さんが未来を担う責任が一段と増したと言 えます。このような社会で生き抜くために、本学に在籍す る限られた時間の中で学ぶことは無限にあります。多様な 知識を身につけ、正解のない課題に答えを見つけていく 過程が大学での学びに求められます。
 北九州市立大学がもつ教育力を信じ、皆さん自らが自 分を信じ、志を高くもって勉学に真剣に取り組み、これか ら始まる学生生活を実り多いものにして下さい。学生時代 をどのように過ごすかによって、皆さんの人生は大きく左 右されます。
 皆さん一人ひとりが、学生時代を「学ぶ時」として心に 留め、キャンパスでの勉学に加え、積極的にキャンパスを 出て地域を学び、海外へ出て世界を経験してください。本 学での学びを通して、新たな時代をリードする人となるよ う期待し、私の式辞とします。

 平成28年4月4日

北九州市立大学 学長 近藤 倫明

 

石原進理事長挨拶〈要旨〉

 北九州市立大学は今年、記念すべき創立70周年を迎え ます。市立小倉外事専門学校としてスタートした本学で すが、今では北方、ひびきのの 2つのキャンパスを有し、公立 大学では5番目の規模となる 学生数約6,500人の総合大学へ 成長しました。
 さて、日本は今、多くの問題 を抱えています。少子高齢化と 人口減少、社会保障と財政、経済の低成長、東京一極集中 と地方の衰退など、いずれも難題ばかりです。
 特に最も深刻な問題は人口減少です。昨年行われた国 勢調査によると、5年前に比べ、95万人の人口減少となり、 北九州市と同じ規模の都市が1つ消えた計算になります。 今後、人口減少は加速度的に進み、900近い市町村が消滅 するという指摘もあります。
 人口減少を食い止めるには、出生率が東京1.15に対し、 九州は1.61であることを考えると、東京一極集中を解消 し、活力ある地方づくりが必要です。元気な地方なくして 日本の将来はありません。北九州市も、かつて107万人いた 人口が96万人に減少し、グリーンアジア国際戦略総合特 区や、人口減少・高齢化社会対応に向けた国家戦略特区な どにより、かつての活力を取り戻すべく、懸命に取り組ん でいます。我々は産業を活性化し、全力で一極集中の流れ を止めなければなりません。
 また、目を世界に転じると、難民、テロ、貧困、環境など課 題が山積です。日本もこうした問題から逃れることはでき ません。我々は地域にあっても、常に世界の動きに関心を 持ち、広い視野を持って行動することが大切です。
 本日入学された皆さんには、世界をフィールドとして活 躍して欲しいと思います。そのためには3つの能力が必要 です。
@言葉:英語と中国語 A日本の歴史・文化についての素 養(日本人としてのアイデンティティ) B交渉力  日本は島国であり、外国人と接する機会は他国に比べ 少ないため、ハンディキャップがあり、それを補う努力が 必要です。皆さんは、語学力、ディベート力を養い、日本の 歴史・文化についてもしっかりと学び、世界の人々と語り 合い、相互理解を深めてほしいと思います。そして、混迷 する現代社会を牽引するリーダーを目指し、勉学に励ん でいただきたい。
 大学生活は、こうした人生の目標を実現するために必要 な基礎能力を身につけることができる得がたい時間です。 学問に打ち込み、良き友と交友を深め、そして見聞を広め るなど、今のこの時間を最大限に活用していただきたい。 本学では、そのために必要な施設、プログラムを用意して います。皆さんの積極的なチャレンジを期待しています。

 平成28年4月4日

北九州市立大学 理事長 石原 進