北九州市立大学同窓会

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大学だより

平成29年度 入学式
創立100周年の未来に向け−キーコンセプトを明示

 平成29年度の全学合同の入学式が4月4日、北方キャ ンパスの体育館兼講堂で行われた。本年度は学部に1,475 人、大学院に183人の計1,658人が入学した。  式典は吹奏楽団の奏でるファンファーレで始まった。同 窓会からは善正善会長をはじめ、副会長が来賓として招 かれ、出席した。
 4月1日に第14代学長に就任したばかりの松尾太加志・ 新学長が式辞。松尾学長は、前年に創立70周年を迎えた 北九州市立大学が、30年後の創立100周年を見据え、「しっ かりとこの地に根を張り、未来の木をつくるため、『世界』 『環境』『地域』という3つのキーコンセプトを掲げた」と述 べ、その1つひとつについて、ゆっくりと、噛んで含めるよ うに語り、「(皆さんが)少しずつ活動の範囲を広げていく ことで、地域とつながり、世界へと広がり、地球環境を考え ることが出来るようになるのです。その第一歩が今日のこ の入学式なのです」「30年後、北九州市立大学で学んでよ かったと皆さん自身が思えることを期待しています」と穏 やかな口調で新入学生の奮起を促した。
 やはり4月1日に第3代理事長に就任した津田純嗣・新 理事長が「大学生活は、これからの人生の目標を実現して いくために必要な能力を磨くことができる大切な時期で す。学問と様々な体験を通じて、知識と経験を身につける とともに、友人や幅広い方々との交流を通じて人脈や視 野を広げるなど、この期間を最大限に活用していただくよ うお願いします」と励ました。
 来賓の北橋健治 北九州市長、井上秀作 北九州市議会 議長の祝辞に続き、新入生を代表して文学部人間関係学 科の横山彩香さん(小倉南高出身)が学生としての本分を 発揮します」と宣誓した。
 吹奏楽団の演奏、混声合唱団「コール・ユーフォニー」が 校歌を披露し、入学式を終えた。
 入学式後の北方キャンパスでは、50近いサークルがテ ントを張り、思い思いの趣向で新入生に入部を勧誘した。 OBの姿も多く、この入部勧誘テント村は活気にあふれた。
 休憩後、体育館兼講堂では、新入学生と保護者を対象 にオリエンテーションが開かれた。今年初めて同窓会にも 時間が与えられ、午後0時25分から,組織対策担当の隅川 智宏幹事(H1・経済)が、同窓会が行っている学生支援策 について簡潔に、分かりやすく説明した。
 なお新入学生には、表紙に「今日からあなたも同窓会会 員です」と刷り込んだ北友会会報・入学歓迎号を、保護者 には「号外」としてそのダイジェスト版を配布した。

松尾太加志学長式辞〈要旨〉
 本学は昨年創立70周年を迎 えました。1946年に小倉外事専 門学校として創立され、70年の 歴史を刻んでまいりました。こ の70周年を節目として、本学で は、30年後の100周年の未来を 見据え、しっかりとこの地に根 を張った未来の木をつくるためのキーコンセプトを掲げ ました。
 皆さんも30年後の未来を想像してみてください。30年と いう時の流れは、私たちの周りの社会、技術を変化させて いきます。その変化の先を見据え、将来を考える必要があ ります。そのためのキーコンセプトは「、世界「」環境「」地 域」の3つです。
 この3つの言葉は、本学での学びのキーワードでもあり ます。皆さんは、それぞれの専攻における専門的な分野を 学ぶことになりますが、この3つのキーワードも意識して 学んで下さい。大学の授業には、日常では感じ取ることの できない魅力があり、今まで知らなかった世界へと導いて くれ、きっと皆さんをわくわくさせてくれることでしょう。 ただし、授業は教室の中で閉じたものかもしれません。教 室の中で繰り広げられるだけでは、疑似的な体験にすぎ ません。大学で学ぶことが実際の私たちの生活の中でど う活かされるかを経験してこそ、それが実体験となるので す。その際にこの3つのキーワードが活かされるのです。
 人が拓いてきた技術は飛躍的な進歩を遂げ、私たちの 生活は大きく変わってきました。交通網、通信網、物流網が 整備され、国内と海外との垣根もなくなってきました。経 済活動や社会環境を地球規模で考えなければいけない 時代となったことを物語っています。このような変化に対 応すべく、私たちは、「世界」あるいは「地球」を意識するこ とが大切です。それが1つ目のキーワードです。
 経済的な発展は同時に、エネルギーを大量に費やすよ うになりました。そのため、人の振る舞いは、自然環境を脅 かす存在にもなり得るのです。エネルギーを枯渇させず 持続可能な発展を進めるため、人が努力しなければなら ないのです。環境も閉じた地域だけの問題ではなく、地球 全体で考えなければならない問題です。目の前の豊かさ に目を向けるのではなく、将来を見据えて環境について考 えることが必要です。それが、2番目のキーワード「環境」 です。
 皆さんには、30年後の自分の未来を想像して下さいと 申しましたが、本当に想像できるでしょうか。私自身、大学 に入学したとき30年後の自分のことは想像できませんで した。そして、これからの私の30年後も確とはわかりませ ん。30年後の自分のために今何をしたらよいのかわかるも のではないでしょう。
 しかし、難しく考えることはありません。大学という新 たな世界の中で、皆さんに求められるのは、今までの自分 の活動範囲を少し広げることです。それは「地域」という キーワードにつながります。私たちが自分で見聞きし、動 くことができる範囲は限られています。私たちは、自分自 身のこと、そして私たちの身の回りで起きている様々な課 題を解決して生きています。それこそが、私たちの基本的 な生活の営みです。その基本的な生活は「地域」の中に内 包されています。
 本学では、「世界」「環境」「地域」という3つのキーワード に関連したカリキュラムを準備しています。授業で学ぶこ とは簡単かもしれません。しかし、経済活動や生活、環境 を地球レベルで、そして長いスパンで考えなければならな いことが頭でわかったとしても、それを自分のものとする ことは決して容易なことではありません。そのため、活動 の範囲を広げることは、簡単なようで難しいことでもあり ます。
 広げる距離が少しでも、そこには異なる世界が待って います。新しい人との出会い、社会との出会い、文化との出 会い、それらの新しい出会いに戸惑うこともあるでしょ う。ただし、その出会いが皆さんの財産となるのです。戸 惑って立ち止まっていても、時間は確実に過ぎていきま す。30年という時の流れも必ず訪れます。少しずつ自分た ちの活動の範囲を広げていくことで、それが地域とつなが り世界へと広がり、地球環境を考えることができるように なるのです。その第1歩を踏みだすのが、今日のこの入学 式なのです。
 アジアとの交流が深いこの地で、環境都市である北九 州市で、そして地域に根差した公立大学を目指す北九州 市立大学で、皆さんが学ぶことによって、この地にしっか りと根をはり、30年後の未来の木に実を結ぶことになるで しょう。
 皆さんの30年後、この北九州市立大学で学んでよかっ たと皆さん自身が思えることを期待しています。そのた め、本学での学生生活を有意義なものとしていただくこと を願い、私の式辞といたします。

 平成29年4月4日

北九州市立大学 学長 松尾太加志

 

津田純嗣理事長挨拶〈要旨〉

 理事長の津田でございます。  新入生の皆さん、入学おめで とうございます。また、ご家族や 関係者の皆様にも心からお慶 び申し上げます。本日こうして 1,658名の新入生の皆さんをお 迎えできることを、心より嬉しく思います。
 本学は昨年、創立70周年を迎え、新図書館が誕生するな ど、記念すべき年となりました。小倉外事専門学校を前身 とする長い歴史の中で、全国88校の公立大学の中でも4 番目の規模を有する総合大学へと成長してきました。
 これから目標も新たに、新入生の皆さんとともに、将来 の創立百周年に向けた第一歩を踏み出していきたいと思 います。
 さて、日本では急速にグローバル化が進展し、社会にお いては、語学力はもちろん、その国の文化や歴史、商習慣 なども理解し、世界で活躍できる人材が求められていま す。
 本学では、この時代の要請に応えるため、平成24年度よ り国に先駆けてグローバル人材の育成プログラムを開始 しています。
 皆さんには、これからの大学生活を通じて、語学力を磨 くとともに、実際に海外の文化に触れるためにも、留学や 海外インターンシップなどに積極的に挑戦していただく ことを期待しています。
 また、国においては、今後の経済成長を図る上での重要 な鍵として、「Society5.0」を掲げています。IOTや人工知 能、ビッグデータ等の革新的技術が活用され、これまでの 社会システムや産業構造、就業構造などが大きく変化し ていくでしょう。
 皆さんには、常にアンテナを高く張って社会の変革を敏 感にキャッチし、これ からの社会が求める スキルを身に付ける とともに、変革に対す る柔軟な対応力を 養っていただきたい と思います。
 本学は地域に根差した公立大学として、この地域社会 に貢献する役割も担っています。これまでも地域の素材を 活用した大学ブランド商品を開発するなど、地域課題の 解決に取り組み、地域貢献度では常に高い評価を受けて きました。
 今年も多くの方々が市外から入学されていますが、ま ずは北九州市の歴史や文化に触れていただき、地域の 方々とともに、まちづくりにも積極的に参画していただき たいと思います。
 大学生活は、これからの人生の目標を実現していくた めに必要な能力を磨くことができる大切な時期です。学問 と様々な体験を通じて知識と経験を身につけるとともに、 友人や幅広い分野の方々との交流を通じて人脈や視野を 広げるなど、この期間を最大限に活用していただくようお 願いします。
 この北九州市立大学では、皆さんのこれからの大学生 活が充実したものとなるよう、全力でバックアップしてい きますので、皆さんの積極的な挑戦を期待しています。

 平成29年4月4日

北九州市立大学 理事長 津田純嗣