北九州市立大学同窓会
大学だより
式典からパーティー会場へと早変わりした北方キャンパスの体育館兼講堂では、3月23日午後1時から、「卒業生祝賀会」が開かれた。
祝賀会は、北方キャンパス421Lab.の在学生らを中心にした実行委員会(委員長・近藤晴菜さん=法律学科2年=)が主催。司会を務める出雲有紗さん(地域創生学群2年)が開会を宣言し、にぎやかに、晴れやかに宴が始まった。
挨拶に立った善正善同窓会会長が「平成の最後の年に卒業、修了され、新しい元号のもとで新しいスタートを切られ皆さんはきっと新しい風を吹かせてくれるだろうと期待しています。夢と希望を胸に頑張ってください」とはなむけのことばを贈った。
後援会の福島宏治会長の「乾杯!」の声で、会場は一気に盛り上がり、ビールを満たしたコップを高々と掲げて「カンパーイ」。グラスの響き合う音が響き、大きな拍手が沸き起こった。
笑顔を寄せ合ってスマホで自撮りしたり、互いに撮り合ったり、ひときわ高い、大きな声で話し合ったり、と華やかで、和やかな光景が会場に広がった。
その中で、山ア勇治名誉教授の傍らにスーツ姿と袴姿の二人の女性がいた。ともに2014年に英米学科に入学した親友。昨春卒業して今は東京で会社員として働く倉谷瑞穂さんが土・日曜日を利用して、留学で1年遅れとなった東風平(こちんだ)幸さんの卒業を祝うために駆けつけたのだ。東風平さんは4月から沖縄に戻り教職に就く。これからは、それぞれの道を歩むことになるが、二人は笑顔で、時に真顔でいつまでも話し合っていた。
とりわけ輝いていたのが、ヨルダンから北九州市立大学(それも中国学科!)に留学し、昨年卒業、今は東京の「ゲームとアニメの会社」で働いているホラニ・アハマドさん(27)と国際関係学科を卒業した加藤翔子さん(23)。
日本のゲームが大好きで本学に留学したアハマドさん。中国・大連の外国語大学でも学び、今では母国語のアラビア語はもちろん、英語、日本語、中国語の4か国語を自在に話す(ちなみの筆者のメモした片仮名の間違いを指摘するほど日本語は堪能)。二人は同級生。学生生活を通じて親しくなり、アハマドさんは昨年11月、加藤さんにプロポーズ。米・タコマ大学に留学したため卒業が1年遅れた加藤さんの卒業を祝い、合わせて加藤さんの両親に結婚の意志を伝えるために足を運んだという。
「今までは恋人同士でしたが、両親の許しも出たので、今日からはフィアンセです」と加藤さん。卒業との二重の喜びにはじけるような笑顔を見せた。左手薬指にはプロポーズの時にもらったという指輪が光っていた。加藤さんは4月から東京で働く。
それぞれに、信じる道を真っすぐに歩いている卒業生・修了生を祝福したのは吹奏楽部、祇園太鼓、ダンスチーム「ブリングオン」、よさこいサークル「灯炎」の熱のこもった演奏とパフォーマンスだった。
【予餞会/ひびきの】
「第16回ひびきの予餞祭」が3月23日(土)、ひびきのキャンパスの体育館で行われた。
北方キャンパスでの全学合同の学位授与式を終え、バスで「ひびきの」に戻った国際環境工学部の卒業生・修了生の多くが参加した。
浜浦真伍さん(エネルギー循環化学科)と秦櫻和子さん(さわこ、環境生命工学科)の司会で、第1部「壮行会」が始まった。龍有二環境工学部長が「社会に出ると叱ってくれます、叱ってもらえる環境が大事。叱ってもらえなくなったらおしまい。叱られ強い社会人になってください」と門出を励ました。
善正善同窓会会長は「新しい元号のもと、夢と希望と、北九志位市立大出身という自信を持って、新しい分野で活躍してほしい。同窓会には6万人を超える会員がおり、全国に48支部がある。何かあったら支部を訪ねてほしい。きっと新しい人脈ができると思う」と、はなむけの言葉を贈った。
卒業生・修了生を代表して谷田佳貴さん(機械システム工学科)が「私たちは今日、卒業します。今後さらに学問の道に進む者も、実社会で職業上の目的に向かってまい進する者も明日からの人生の節目において、その都度、ここで学んだことの意義をかみしめ、それぞれの分野で活かし、一人ひとりが託された使命を精一杯果たします」と謝辞を述べ、予餞会実行委員会の品川京秀さん(ちかひで,エネルギー循環化学科)から贈られた花束を受け取った。
この後、恒例の「思い出ビデオ」。各サークルの在学生が、それぞれ趣向を凝らして制作した卒業・修了を祝うメッセージが体育館の壁面に次々と映し出された。卒業生・修了生は、この間まで共に活動していた後輩の真面目な、あるいはおどけた表情が映し出されるたびに歓声を上げていた。
引き続き、第2部の立食パーティー。梶原昭博副学長の挨拶に続いて、後援会の村上キヨコ理事が「乾杯」の発声。これに応え、それぞれのテーブルから、ビールを注いだコップを掲げて「カンパーイ」。会場正面のくす玉が割られ、「ご卒業おめでとう」の垂れ幕が躍り出て、大きな拍手が沸いた。スマホで写真を撮り合ったり、笑顔で話し合ったりと、残りわずかな仲間との時間を惜しむように、楽しんでいた。
北友会会報第120号(令和元年7月15日発行)掲載