北九州市立大学同窓会

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米英科36年卒同期会IN鹿児島

 4月、広島県福山に8名が集まった。年々参加者が減る中、福 山駅頭で互いに息災を喜び、眼前の福山城内で昼食。水野、松平、 阿部の歴代藩主が西の毛利を監視した城は巨石を配し堂々たる ものである。バスで鞆の浦に直行。港町は古くより潮待ち・風待 ちで栄え、名高い史跡や瀬戸内屈指の景勝地である。朝鮮通信使 はじめシーボルト、龍馬や井伏鱒二、土屋文明など文人も訪れ、 筝曲「春の海」の作者、宮城道雄も父祖の地として関わりが深い。 シンボルの常夜燈を背景に撮影、描写する人達も多い。5月の鯛 網は圧巻だという。「いろは丸」を沈められた龍馬と和歌山藩と の談判場であり、朝鮮通信使の定宿、対潮楼を後に夕刻、阿伏兎 の「みかど別館」に到着。海に突き出た石仏十一面観音は花山天 皇の祈願仏で千年余り航海安全の祈願所となっており、子授け 安産の守護としても名高い。一番の賑わいは夕食である。流石に 魚は活きが良く多彩で巨大な鯛の甘炊きは美味で旅の満足感を 募らせてくれた。酒量は目に見えて減少。例年より就寝が早く寝 言や鼾の合唱で熟睡ままならず夜が明けた。
 翌日は雨、尾道へ急ぐ。 尾道は平安時代より自然の良港で商業都市として発展。特に 足利将軍家の庇護が厚く尾道商人から豪商が出現。市内に寺院 が多いのも頷ける。休館日だったが、谷村善彦議員(S36・米英) の顔で市文化振興課の説明があり、利休作、京都山崎の国宝「妙 喜庵待庵」の写しである「爽籟軒」庭園の茶室「明喜庵」を見学。尾 道人の高い文化と教養、技術と財力を知らされた。尾道は山が海 に迫り大店舗の立地が難しく1キロに及ぶアーケード街は老舗 が並び活気があった。昼食は尾道ラーメンにしたが辛くて不味 かった。商店街西外れに行李と傘を足元に屈み込む林芙美子像 は雨に濡れて趣があった。来年は母校で再会予定。(参加者:織田 信常・萱原千恵子・川北和一・谷村善彦・中條経義・同夫人・本綱荘 弘・北山清種)

川北和一(S36・米英)

北友会会報第108号(平成25年6月30日発行)掲載