北九州市立大学同窓会

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東京紫英会(ESS OB/OG会)、母校アン・クレシーニ准教授(言語学)と会談

同窓生の皆さんは母校北九大に非常にユニークな活動をされている准教授が いらっしゃることをご存じであろうか?
九州では母校以外でもテレビ、新聞、講演、地域活動などに八面六臂の活躍を されているので、九州在住の方はご存じの方も多かろう。
その方は国際環境工学部で英語コミュニケーションを担当されるアン・クレシーニ先生である。 筆者は1年間先生のバイリンガルブログを愛読しており、その活躍ぶりから、いずれ東京に も活動の場を広げられると予想していた。あに図らんや3月11−13日に上京されると側聞、 早速、同窓会本部の関係者を経由して東京での面会を打診したところ、快諾を頂き、今回の 東京紫英会会員有志6名との会食の運びどなった。先ず、簡単に先生の経歴を紹介して 置こう。先生は米国バージニア州出身、2002年 Old Dominion University で応用言語学を 専攻、偶然にこの大学が我が母校と姉妹大学でその関係で、北九大の英語講師に就任、 以来16年間北九大一筋、2014年には永住権も取得、現在ご主人と3人の娘さんと共に 宗像市に土着(?)。先生は大学で教鞭をとる傍ら、「和製英語」の研究に邁進され、関連の 著書3冊も発行されている。
さて、3月12日に新宿の高層ビルにある和食レストランで、2時間ほど貴重な 時間を割いて頂いた。我々とは勿論初対面であるが、会う早々挨拶もそこそこ、先生の流暢で 的確、自信満々の日本語に圧倒され、次々と英語と日本語がミックスする フレンドリーな雰囲気が醸し出された。そして日本人の英語 (Japanglish) の話題を主体に 博多弁丸出しの独特のトークにいつの間にか引き込まれてしまい、 小倉や紫川などの懐かしい地名にいつしか学生時代に引き戻された思いさえした。
また、 先生の主張される、「和製英語は、日本人のCreativityの高さ とcommunication 能力の表れである」には一同いたく納得、また、「"和製英語だからダメ" と無下に否定する欧米人の英語教師は失礼だ」との発言には、昔々その種の体験で苦い想いを した我々には留飲が下がる思いがした。言語はその国の文化とその元になる世界観に根づいて いる。文化は目に見える「What」 で、世界観は 目には見えない「Why」 なのである。例えば、 日本人が食前に発する"いただきます"と言う言葉は文化、何故そう言うかは世界観なので ある との明察。 考えて見るに、先生は「和製英語研究」すなわち、日本人はなぜ このような英語表現にいたるか?と言う切り口で日本語を分析されその上で、英語に苦闘する 日本人に英語学習の道を切り開かれている、なんと素晴らしく、特異な方策ではなかろうか。 子育て、主婦、大学教員、TVコメンテーター、講演、執筆それに、週に2−3回更新される バイリンガルブログ(これが生活感溢れて実に面白い)と正にスーパー・レイディ(和製英語か?)。 息つく暇もなく、一日の睡眠は4−5時間だそうだ。予定の2時間がほんの瞬時のごとく過ぎ 去った。まだまだ、お聞きしたい事も多々残した中で、先生の更なるご発展を祈りつつ お開きとした。
尚、興味のある方は著書「ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?」を、 またブログhttps://ameblo.jp/annechan521へのアクセスをもお勧めする。

参加者
写真前列左より、谷山州弘(S40米), 先生、白鹿照子(S41米), 吉田幸夫(S41米), 後列左より 杉本友厚(S41米), 大坪政昭(S38米)、武藤敦(S45米)敬称略。


吉田幸夫 (S41米)