北九州市立大学同窓会

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吟詠部追悼発表会
吟詠部の悲願よ、今度こそ実を結べ!! 
恩師・物故OB追悼吟詠会を再延期して

 新型コロナとの攻防、長 い戦いになりました。「追悼 発表会は感染が鎮静化し、 低レベルで推移の見通し が立つ時まで再延期に」。
 5月、福岡県も緊急事態宣言下となった日の翌日、私は発 表会の世話人・実行委員計13人と協議して全OB、物故者の ご遺族、来賓諸氏、約150人へのお詫び状を印刷し投函しま した。再延期しての発表会は「希望者へのワクチン接種が 完了しているはず」の今年12月か来年1月、北九州市立小 倉南生涯学習センターで開催、の方向で準備中です。
 昨年5月、大学本館の大教室で開くことが念願でした。 それが同3月末、全国的な感染拡大の兆しが見え始めた ため断念して「1年間の延期」とし、学外の会場を確保し た訳です。「1年後にはワクチン、治療薬とも国民に行き 渡っているはず」との見通しでしたが、甘かったです。
 それにしても思うのは国の政策のチグハグさと、国と地 方自治体、各施設同士の一貫性の無さです。なぜ、日本は 台湾などのように感染症専門家に権限を持たせた整然と した政策が取れないか。報道によれば、政府首脳が担当大 臣の頭越しに号令を飛ばし現場が混乱、という場面もし ばしばとか。嘆かわしい。
 活動主体である吟詠部がなくなって30余年。高齢者が 大半を占めるOB会員としてこのような催しを企画してみ て、コロナ禍にまつわる各種の「症候群」はこたえます。ぼ やきはこの位にし、改めて発表会について紹介させてい ただきます。
 追悼吟詠発表会の演目の大きな柱が唐時代の詩人、岑 参作「胡笳(こか) の歌、顔真卿(がんしんけい)の河隴(かろう)に使いして赴くを送る」の 書道吟です。故人を偲ぶ詩ではないのですが、辺境警備将 兵査察の任務で旅立つ人物に万感の思いを伝える内容か ら、我々は敢えて追悼の詩と位置づけ、書とコラボさせた 書道吟として練習しています。書は、中国からの留学生で 本学の空手道部元主将、現在は本学大学院でマネジメン トを学ぶ耿兆冲(ゲンズオツォン)さんにお願いしました。彼との縁は、小倉 のホテルでOB会総会を開いた際、墨痕黒々と「北九大吟 詠部OB会総会」と横断幕を書いてくれたことからです。
「胡笳の歌――」は七言十二行の古体詩。計80字余りの漢 字を吟に合わせて一人で書く、神経と体力を使う役割で す。耿さんは「書は中国にいた時から得意。空手道部とゆ かりの吟詠部に協力できるのはうれしいです」と語り、 OB会委員とも打ち解け、練習会に2回来てくれました。そ の他、和漢の名詩、民謡、和歌など盛り沢山の演目で、追悼 発表会の趣旨を胸に、OB会員全員で力を合わせ成功さ せます。どうぞよろしく。

実行委員長 田川憲一(S50・英文)

北友会会報第124号(令和3年8月25日発行)掲載